葉酸で先天異常のリスク低減!?厚生労働省推奨、妊娠希望の女性が必要な葉酸摂取量は?
葉酸とは、ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜をはじめ、納豆などの大豆製品、海藻、果物に多く含まれている水溶性のビタミンです。
欧米諸国では、妊娠可能な年齢の女性が葉酸を積極的に摂取することで、胎児の先天異常である神経管閉鎖障害の発生リスクを低減させることができるとの報告がなされています。
これに伴い、我が国でも厚生労働省が「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について」という通知を平成12年に出しています。
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厚生労働省推奨、葉酸の接種時期と量
厚生労働省発表の文書にはこのように書かれています。
妊娠を計画している女性に関しては、神経管閉鎖障害の発生リスクを低減させるために、妊娠の1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月までの間、葉酸をはじめその他のビタミンなどを多く含む栄養のバランスがとれた食事が必要であること。
食品からの葉酸摂取に加えて、いわゆる栄養補助食品から1日0.4mgの葉酸を摂取すれば、神経管閉鎖障害の発症リスクが集団としてみた場合に低減することが期待できる。厚生労働省「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について」
葉酸摂取の期間
妊娠の1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月までの間
葉酸摂取量
通常の食事+栄養補助食品から1日0.4mg(400μg)
妊娠になぜ葉酸が必要なの?
妊娠初期は胎児の細胞分化がさかんに行われています。
この分化に葉酸が必要になるため、妊娠前〜妊娠初期の葉酸摂取が推奨されているのです。
通常の食事からでも葉酸を摂取することは可能ですが、胎児の細胞分化時期にはより多くの葉酸を必要とするため、不足分を補うためにサプリメントでの葉酸摂取を厚生労働省が推奨しています。
葉酸が胎児の先天性異常「神経管閉鎖障害」を低減
神経管閉鎖障害とは、胎児が母親の子宮内で成長する初期の段階で作られる、脳や脊髄のもとになる「神経管」が、きちんと管にならずに一部が閉鎖することにより起きる障害です。
神経管の上部が閉鎖した場合は「無脳症」、下部が閉鎖した場合は「二分脊椎症」を発症します。
神経管閉鎖障害は、遺伝を含め、数多くの要因が発症の引き金になると考えられています。
しかし、胎児の細胞が分化する妊娠初期に葉酸を摂取することで、神経管閉鎖障害になるリスクを低減することができるということがわかっています。
サプリメントでの葉酸摂取とバランスの取れた食生活を
葉酸を摂取することで、胎児の先天性異常を少しでも減らすことができるのですから、妊娠を考えている女性は積極的に摂取したいものですね。
葉酸は普段私たちが口にする多くの食品にも含まれています。
日頃から栄養バランスの取れた食事をすることを心がけつつ、不足分はサプリメントでしっかり補ってあげましょう。